元同僚の「被写界深度」についての説明は十分なものだった。F値、焦点距離、「ピントを合わせる位置」。手前と奥とで深度が変わることまで言及していたからだ。現場ではそれで十分だと思うのだが、ここでも「被写体との距離」が関係している。
「ぼかす=深度を浅くする=望遠レンズを使う=絞りを開ける」。もっとも簡単な説明だが、これだけでは足りない。よく質問されるのは、「もっとぼかせばよかったか」と言うもの。意図にも依るだろうが、主に絞りの話をしている。果たしてそうだろうか。F値の明るい望遠レンズを開放で撮ったとしても、「壁際に立った人物」では、ボケては見えない。また、レンズにある深度のメモリを見ればわかるが、「撮影の距離」でも深度は変わる。
では、ボケとは何なのか。光学的に錯乱円のことである。撮像素子上の「焦点を結んでいるように見える点」が大きくなる現象を差す。したがって、拡大すればボケは大きくなる。更に「ややこしく」しているのは、レンズ性能、つまり、「収差」の影響を無視できないことだ。シャープな写真ほど、ボケて見えることがある。ボケと言うのは、ピントの合った範囲との境目を差しているのではない。
深度の話に戻す。焦点距離が短く、絞り込めば深度は深くなる。そして、ピント面を中心に、カメラより遠方は近い方よりも深度が深くなる。これも計算式で求めることが出来るのだが、撮像素子が半分になれば、F値も半分になる。同じ画角・同じ構図で比較した場合、マイクロフォーサーズはフルサイズより約2段深度が深くなる。フルサイズとマイクロフォーサーズの違いは、単純に画質やボケだけではない。


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